皆さま、ご機嫌麗しゅうございますか?
そろそろバンコクのまったりとした空気感の中で、のんびりとお茶したい衝動に駆られていらっしゃらない?
ホム マリは、現在、まさにそんなムードに陥っているのよ。
なので、昨年の滞在時の記憶を思い起こして…
バンコクの中でも、観光色がひときわ強いのが王宮周辺で、主要なお寺巡りを楽しまれたことのある方は、多いのではないかしら?
もちろん、ホン マリもむか~し、ワットプラケオ、ワットアルン、ワットポーといったお寺を訪れたことがあるけれど、その後は、あまり立ち寄らないエリアであったことは確かね。
でも、バンコクの地下鉄MRTがこのエリアにも延び、アクセスしやすくなったことや、個性的でお洒落なカフェが増殖しているという噂を耳にして、久しぶりに訪れてみようと思ったの。
今日は、そんな中でお邪魔した、「HATIEN CAFE」のお話。
時の流れを感じる街
ホム マリが、前回、この王宮周辺を散策したのはいつだったかしら?と、思い返してみたの。
すると、(恐ろしいことに!)なんと20年ほども経っていることに気が付いたわ。笑。
キンピカで、いかにも格式が高そうな寺院にお祀りされているエメラルド仏を拝み、巨大な涅槃仏に目を見張り、中でもワットアルンの白い塔が、陶器の破片でモザイクのように埋め尽くされているのを間近で見て知ったときの驚きは、ホム マリの中では、今でも鮮明な記憶なのよ。
そして、そのような各お寺の印象とともに、はっきりと記憶に刻まれているものがあるの。
それは、‘匂い’。
ワットアルンからボートでチャオプラヤ川を渡り、対岸のターティアンに降り立つと、そこには薄暗い市場が広がっていたわ。
それまでギラギラと輝く熱帯の太陽の下を歩き回っていたので、余計に暗く感じたのかもしれないわね。
そして、次の瞬間、なんとも言えない魚の生臭い匂いが、纏わりつくようなモワッとした暑い空気とともに漂ってきたの。
「うゎ、何この匂い!」と、息を止めながら見渡すと、その薄暗い市場は、辺り一面干物の市場だったのよ。
その当時でも、バンコクのスクンビット周辺では、そこまで「うゎ!」と思うようなものに出逢ったことはなかったけれど、あの干物市場を通ったとき、バンコクにはまだこういう場所があるんだわと、痛感したのを覚えているわ。
そして今回、再び王宮周辺を街歩きしたい!と思い立ったとき、折角なので、久しぶりにチャオプラヤ川のボートにも乗ってみようと思ったの。
干物市場が立ちはだかっているかもしれないけれど、ホム マリもその後の年月の中で鍛えられているかもしれないし、まあ、臭くても通り過ぎればよいだけだしね。
なぜか船に乗ると、‘ちょっぴり旅気分’になれるわね、なんてウキウキしながら、束の間の‘船旅’を満喫し、約20年ぶりにターティアン船着場に降り立ったホム マリ。
きょろきょろしながら進むと、観光客目当てのお土産屋さんが並んでいて、「あら、変わった。」と、心の中でつぶやいたわ。
強烈な干物の匂いも、もちろんしていない。
次から次へと船から降りてくる観光客の波に呑まれながら、当惑気味にマハラート通りまで押し出され、ふと後ろを振り返ってみると、そこには小綺麗な、しかも旧市街地を彷彿とさせるような外観の建物が建っていたの。
あまりの変貌ぶりに、面食らいながらも、新しいバンコクを発見したようで、嬉しかったわ。
すると、すぐに現れたのは、ワットポー。
マハラート通りからは、お寺の裏手になるけれど、こちらは‘変わらないバンコク’に再会したような気分で、心がほっこりとしたわね。
ではそろそろティータイム、と訪れたのは、ワットポーからも近い、「HATIEN CAFE」さんよ。
ノスタルジーに浸れるカフェ
「HATIEN CAFE」さんは、先ほどのような新しい建物ではなく、昔ながらの棟続きの建物の一角にあるのよ。
バンコクでも最近は、古い建物をリノベーションして、カフェやレストランとなっているところが増えてきているわね。
お店に入ると、1階にはケーキが並ぶカウンターがあって、こちらで先ずオーダーするのよ。
そして、空いてるお席を求めて、ホム マリは、お2階へ。
ホム マリは、運よく直ぐにお席にたどり着けたけれど、「HATIEN CAFE」さんでは、しばらく待つことも多いそうよ。
階段の壁には、年代を感じさせるそろばん!
タイでもそろばんって使われていたのかしらね。
2階は、こちらもアンティーク調のランプや家具、剥製やドライフラワーが配されていて、独特な雰囲気を醸し出しているわ。
歴代の王様のご真影もインテリアとして上手く取り入れられているのが、タイのカフェっぽくて、素敵なの。
そんなインテリアを眺めながら、「HATIEN CAFE」さんの空気にどっぷりと浸かりかけたころに、お願いしていたケーキとドリンクが登場!
ホム マリが頂いたのは、ベリーのレアチーズケーキとバタフライピー&レモンのジュースよ。
レアチーズケーキは、ご覧のとおり、ベリーがたっぷりで、その見た目だけで‘目が♡’になってしまったわ!
ケーキ部分は、レアチーズがとてもまろやかで、お口の中でまったりと蕩ける濃厚さが、甘酸っぱいベリー、特にラズベリーとの相性が抜群なのよ。
そして、注目すべきは、ケーキのお皿が和骨董っぽくて、お店全体のノスタルジックな印象にうまく溶け込みつつも、バンコクにおいては、斬新な感覚だったわ。
ドリンクは、なんといっても、バタフライピー(アンチャン)が濃い!
レモンの酸味で、パープルとなっている色も美しいし、先ほどまで炎天下を歩いて火照っていた体を、そのスッキリとした甘さのレモンシロップが癒してくれる感じで、全身に染み渡るの。
「HATIEN CAFE」さんで、アンティークに囲まれて、ゆったりティータイムを楽しんでいると、ホム マリがこの街で感じた‘時の流れ’は、ほんの一瞬の出来事であって、さらに20年後、30年後には、また違った景色が広がっているのかしらね、なんて思いを馳せつつ、消えてしまった‘匂い’に、懐かしさが込み上げてきたのよ。
ホム マリがお伺いしたときは、ホム マリ以外はタイ人のお客様で、お見受けするに、30代UPの方が多いように思われたけれど、皆さまもきっと、そんな‘懐かしさ’を感じに「HATIEN CAFE」さんにお越しになっていらっしゃるのかもしれないな、と思えるカフェだったわね。
それでは、皆さま、チョクディーカ。
HATIEN CAFEはどこかしら?
ターティアン船着場 徒歩5分
MRTサナームチャイ 徒歩8分