皆さま、ご機嫌麗しゅうございますか?
日本でも、‘タイ料理と言えば!’的な存在になりつつあるガパオ炒めご飯。
皆さまもお聞きになったことがあるのではないかしら?
でも、ホム マリが拝見している限り、本物のガパオを使ったガパオ炒めご飯をお出しになっているのは、タイ料理屋さん等の限られたお店のような感じがしているの。
ありがちなのが、イタリアンに使われるバジルを使ったものね。
(既に、日本独自の進化が始まっている気もしないではないわ…)
確かに、ガパオもシソ科の‘バジル’の一種ではあるけれど、香りが全然違うのよ!
なので、ホム マリは、イタリアンに使われるバジルを使ったものは、‘バジル炒め’かもしれないけれど、‘ガパオ炒めご飯’ではないということをお伝えさせて頂きたく、今日は、「タイの3大バジル ガパオ・ホーラパー・メンラック」のお話。
タイ料理のバジル
タイ料理では、先ほどからお話させて頂いているガパオの他にもバジルが良く使われるのよ。
ホーラパーやメンラックと呼ばれているもので、それぞれの特徴に合わせて、使い分けられているの。
ガパオ

こちらがガパオの葉よ。
葉っぱの形からも、イタリアンのバジルとは違うものであることがお分かり頂けるのではないかしら?
少し丸みがある感じが特徴的ね。
ガパオは、お写真の白っぽいものの他、少し赤味がかった品種もあるわ。
他のバジルに比べて、フレッシュなときの香りは控えめだけれど、加熱すると風味や香りが増すのよ。
ガパオは、タイ語の発音の関係で、‘ガプラオ’と表記されることもあるし、英名ではホーリーバジルと呼ばれているわ。


日本でガパオ炒めと言えば挽肉をイメージされるかと思われるけれど、普通に薄切り肉やシーフードなどもガパオと炒めたお料理としてメジャーなのよ。
そして、タイではこのガパオ炒め、激辛なのでご注意を!
日本では、何となく目玉焼き(これも本当は揚げるようにして作るのよ。)を乗せとけ!みたいな感じで出てくるけれど、タイの食堂では、目玉焼きの有り無しはチョイスできるわ。
でも、ほとんどの方が‘有り’だけれどね。
というのも、タイ人にとっても辛いお料理なので、卵でお口の中の火消しをしながら食する!というのがガパオ炒めご飯の‘正しい食べ方’となっているのよ。

ガパオを使ったお料理としてもう一品。
ゲーンパーというお料理があるわ。
ゲーンパーは、森のカレーと呼ばれているお料理で、お野菜たっぷりのスープカレーといったところかしら。
そんなゲーンパーの風味を引き立たせてくれるのが、ガパオなのよ。
ホーラパー


次にお話させて頂くのは、ホーラパーね。
先ほどのガパオとは、明らかに葉っぱの形が違うでしょ。
ホーラパーの方がスッと尖った感じね。
香りもフレッシュなときからしっかりとあるけれど、ホム マリの感覚では、一番癖のない香りと風味だと思うわ。
ホーラパーは、タイのスイートバジルと呼ばれているだけあって、タイのバジルの中では、イタリアンのバジルに近い感じで使えるわね。
実はこのホーラパー、3大バジルの中では、最もタイ料理で多用されているバジルではないかと思うの。


ホーラパーも、炒め物に良く使われていて、上のお写真のように、貝やナスとの相性は抜群よ。
でも、ホーラパーを使った、一番メジャーなお料理と言えば、グリーンカレーではないかしら?

グリーンカレーは、バイマックルーなど他のハーブも使われているけれど、そういったタイハーブのマリアージュを味わえる、奥深いお料理だと思うわ。
その他、ホーラパーは、よく生のままお料理の付け合わせとして添えられているわね。
メンラック

最後は、メンラックよ。
丁度ガパオとホーラーパーを足して割ったような形・大きさの葉っぱだけれど、特徴的なのは、その香りよ。
タイレモンバジル(又はへアリーバジル)という名のとおり、清々しい柑橘の香りがするの。
ホム マリの中では、他の二つのバジルに比べて、登場回数の少ないバジルではあるけれど、ゲーンリヤァンというお料理には欠かせないバジルなのよ。

こちらのゲーンリヤァンというお料理、先述のゲーンパー同様、お野菜がたっぷりなスープカレーであるのだけれど、最大の特徴は、エビを惜しげもなく調味料のように使うお料理なのよ。
タイカレーのベースとなるペーストを作るとき、生のエビを潰して入れるの。
だから、エビのお味がしっかり染み渡って、味わい深いお料理なのだけれど、そんなエビの風味とピッタリなのがメンラックの爽やかな香りなの。
出番は少ないかもしれないけれど、重要な代役が効かない役どころね。
いかがかしら?「タイの3大バジル ガパオ・ホーラパー・メンラック」のこと、少しだけでも違いに興味をお持ちいただけたかしら?
タイハーブの醍醐味である香りをお届けできないのが歯がゆいところだけれど、実際に召し上がってみてのお楽しみ!ということね。
それでは、皆さま、チョクディーカ。