皆さま、ご機嫌麗しゅうございますか?
皆さまは、普段、哲学書ってお読みになるかしら?
ホム マリは、全くといってよいほど、無縁なジャンルよ。
でもホム マリ、小説は読むので、タイ人作家小説で翻訳されているものが無いかなぁ、と思って探していると、出会った本があるの。
タイ人作家の作品で、日本語に翻訳されていて、尚且つ市井の書店で購入できるものって、物凄く貴重なのよね。
そこで、その本の概要を調べてみると、タイ人作家によって執筆された‘哲学書’ということが分かったわ。
哲学書’…。
小説を見つけたつもりでいたホム マリ、ちょっとがっかりしかかったけれど、まあたまにはこういう本も読んでみましょうか、と気を取り直して本屋さんに向かったわ。
今日は、そんな、ホム マリには珍しい哲学書、「新しい目の旅立ち(プラープダー・ユン著、福冨渉訳、ゲンロン叢書)」のお話。

タイ語、読めないけれど哲学書のコーナーで見かけるとなぜかホッとしたわ。

本屋さんは、時々訪れることのあるホム マリだけれど、哲学書のコーナーなんて、普段立ち入ったことが無かったので、ちょっと緊張したわ。(笑)
だって、難しそうな本ばかり並べられているんですもの。
その中から、お目当ての「新しい目の旅立ち(プラープダー・ユン著、福冨渉訳、ゲンロン叢書)」を見つけたとき、見知らぬ土地で知り合いに会ったような安堵感を覚えたわ。
とはいえ、この‘哲学書’らしい重厚感のある装丁、ちゃんと最後まで読めるかしら?と一抹の不安を感じたのは確かね。

難しいことは知らなくてもOK!

こちらの「新しい目の旅立ち(プラープダー・ユン著、福冨渉訳、ゲンロン叢書)」、著者のプラープダーがタイトルのごとく、新しい視点を持った自分自身を求めて、フィリピンシキホール島という‘黒魔術’で有名な島に滞在したときに見聞きし、感じたことを中心とした内容になっているの。
なので、いざ読み始めてみると、半分紀行文のようで、哲学素人のホム マリでも、すんなりと読み進めることができたわ。

こちらは、帯ありの表紙

もちろん、きっと哲学界では有名なのよね、と思われる哲学者のお名前もちょこちょこ登場してくるけれど、それぞれの哲学者がどの様な考え方をしていたかなどは、著者の思っていることと比較しながら書かれているので、理解しやすいわ。
それに、日々の生活環境の例えが‘昔ながらの祠とスマホ’だったり、宗教の例えが仏教であったりと、タイ人らしい面が垣間見えて、これは、日本人にとっても馴染みやすく想像しやすい点でもあると思うの。

そして、著者が体感したことを通して、‘黒魔術の島’という世間一般の概念の捉え方に対する変化や、第3章で述べられている、現在世界中の合言葉のように謳われている‘地球温暖化’という問題の捉え方を読んで、ホム マリもなるほどねと共感できる思いがしたわ。
特に最近、‘エコバッグ’に疑問を感じていらっしゃる方、必読ではないかしら?!(笑)

最後には、訳者の方による‘あとがき’があって、著者であるプラープダーが現れた背景や、簡単なタイ文化史が説明されていて、これがまた興味深かったわ。
ホム マリ的には、タイの会社にいたときに耳にしたことがある‘タイネス’という言葉の日本語訳であると思われる‘タイらしさ/タイっぽさ’という言葉が生まれた経緯が知れたのは、感慨深く、お勉強になったわね。

確かに、「新しい目の旅立ち(プラープダー・ユン著、福冨渉訳、ゲンロン叢書)」を読んだからといって、直接的に、思いっきりタイに浸れる!という本ではないけれど、もっと広い視点で現在のタイを感じることができたと思ったわ。
読書の秋、秋の夜長のお供にピッタリの一冊よ。
それでは、皆さま、チョクディーカ。

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