皆さま、ご機嫌麗しゅうございますか?
ホム マリは、先日、本棚を整理しているときに、その存在をすっかり忘れていたのだけれど、タイに関わる小説とばったり再会したの。
恐らく、20年ほど前に購入した本なのよね。
本のタイトルを見て、確かタイが出てきたはず!ということは思い出したけれど、ストーリーが全く浮かんでこない。(笑)
そこで、今回は、真っ新な気持ちで読み返した小説、「タマリンドの木(池澤夏樹 作、文集文庫)」のお話。
時代背景は‘一昔前’
タマリンドの木の時代設定は、書かれた当時か少し前なので、1980年代といったところかしらね。
10年ひと昔、なんていう言葉からすると、一昔ではなく結構な‘昔’になってしまうかしら。
主人公の野山が暮らす東京の描写は、ホム マリは、さほど‘昔’な感じはしないのだけれど、タイの描写は、一昔前をまざまざと感じさせるわ。
それは、バンコクの街自体であっても、このお話のキーとなる、‘カンボジアの難民キャンプ’の設定からもね。
それだけ、タイもこの間の発展が目覚ましいということだし、カンボジアに至っては、国自体ががらりと変わったことの表れでもあると思うの。
タイが舞台の小説には、時々このカンボジア難民が描かれていることがあるけれど、タイ側からの描写を通して、最近の日本ではあまり取り上げられない、カンボジアの過酷な歴史の一幕を知ることができるわ。
そして、そんなキャンプがあるからこそ、タマリンドの木という恋愛小説が成立するのね。
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ストーリーの感覚は‘現在’
今となっては、一昔前の時代設定ではあるけれど、でもタマリンドの木を読んでいて、そんなに古い感じがしないわ!と思ったの。
それは恐らく、主人公の野山達が、会社勤めをしながらも‘副業’としてや将来‘起業’できるようなことにチャレンジしていることや、野山が安定した生活を捨て、修子のもとに向かうという設定が醸し出しているのかもしれないわね。
‘副業’だなんて、2023年現在、最もよく耳にする単語の中にありそうだし、恋愛小説では、女性が男性のもとに向かうという定番の逆を行っているというのも、今では普通の流れであると思うの。
なので、このお話自体が、そんな昔のことではない感覚で読む進むことができるわ。
ただ、コンサバティブ女性であるホム マリの感じ方として、やっぱり女性が思い悩んであなたについていきます!的なお話の方が、ストーリーに没入できて心が震えるということは、どうしても否めないのよね。笑。
もちろん修子も思い悩んでいるのだけれど、お話の中での立ち位置の問題ね。
だから、逆に男性は、物凄く感じるものがあるのかもしれない!と思ったの。
「タマリンドの木(池澤夏樹 作、文集文庫)」を是非お読みなって、皆さまは、野山と修子にどのようにお感じになるか、体感なさってみてはいかがかしら?
それでは、皆さま、チョクディーカ。
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